Fiore 様 – 看板 02/29/202007/15/2022 看板 – A2 / 片面4色 / 光沢紙220kg / 1部看板 – A3 / 片面4色 / 光沢紙220kg / 1部看板 – A4 / 片面4色 / 光沢紙220kg / 1部作業内容 – 原稿 / デザイン / 組立 / 塗装 / 印刷 毎度お世話になっておりますFiore様より看板製作のご依頼です。「店頭前にメニューが無い」と言う事で製作することになりました。 ミナミとはいえ人通りが少なく少し薄暗い裏通り、しかも一見メニューが良く分からない飲食店(ホームページは製作済みです)、となれば、ご新規様には不安要素でしかありません。 あえてキャッチーな看板を出さないのも隠れ家的でとても良いのですが、ターゲットが女性メインのお店ですので、一目でイメージが分かる看板は必須とも言えます。 今回は立案から設置位置、形状、デザイン含め、全てお任せでの製作です。以前別件で無料で頂いたイーゼルが手元にあったため、これを使おうと思いイメージを膨らませます。廃材等を使った看板は比較的コストも抑えれる上に、独特の風合いが楽しめ、なおかつお店の個性も出せるので個人的にはオススメです。 こちらが頂いたイーゼル本体。傷だらけで見栄えが悪いです。塗装剥げ、ぐらつき、受け部分が欠品しているなど、リペアが必要。サイズ的にはちょうど良いので、まずは廃材を加工したりペンキを塗ったりと手を動かします。 構想を練りながら補強しつつ、ペンキを塗っている途中でデザインが思いついてきたのでフレームを買いに。4つのデザインを製作し、同時に収めることにしました。 1つのイーゼルに4つも飾るのは変だと思われるかもしれませんが、必要な情報が大きく区切られるため、看板1つに詰め込むよりも逆に読みやすく、パッと目につき斬新、そして「賑やか、暖かい、ワクワク(どれ食べようかな?)」といった、今回表現したかった内容に合っているかなと感じました。 と言いつつも、この段階ではまだほとんど形が見えておらず暗中模索の状態。 真鍮フックや革紐を使い、各所を固定して全体のバランスを見ながら調整していきます。 イーゼルに穴を空け、受け部分を作り、高さ調整が出来るようになりました。また、全体的に大きなサイズとなるため、開店時、閉店時に出し入れがしやすいよう分解して移動できるように組み替えました。 そして、ペンキが乾くのを待つ時間に、並行して紙面を製作していきます。当然ですがここが一番肝心。サイズが決まればあとはいつものようにイラストレーターとフォトショップを使い、設置後の状態をしっかりとイメージしながらお客様目線でデザインを組んでいきます。 紙面デザイン完成。さらっと載せていますがボリュームがあるため、思った以上に時間がかかってしまいました。掲載内容をしっかりと情報を伝えたい、個性を出したい、パッと見で伝わる、美味しそう!となれば、自由感のあるレイアウトとフォントのチョイスでしょうか。 メニューの画像がかなり良いので、デザインはポラロイド風をベースに暖かいイメージで。以前製作した店内のメニューとフォントを合わせるなどして統一感を出しました。細かいパーツも使い、かなり手描き感は出せたと思います。 出力し、フレームに入れて全体的なバランスがキマりました。メインとなるメニューをセンターにA2サイズで、両サイドにはUber Eatsでの対応を開始したピザメニューをA3、お店イチオシの河内鴨をA4、センター下部にお一人様大歓迎と配置。 納品完了。角度をつけているため、通りを歩いていると目につきやすい仕様です。照明を点けてさらに集客パワーアップ。写真入りでメニューや価格、店内の雰囲気を入店前に確認できるのはやはり良いですよね。 ちなみに受け部分はスプーンとフォークを突っ込み固定することにしました。さりげなくイタリアンを主張。 大変残念ですが、後日酔っ払いに破壊されてしまったとの報告を受けました。ミナミでは日々様々なトラブルが発生しており、他のご依頼でお伺いした近隣の飲食店様、美容室様も看板を破壊されたと仰られていた事があります。 器物破損で警察案件ですが、まぁ犯人が見つかる事はまずないですね。悔しいですがまた後日違ったものを製作することになりそうです。 やはり繁華街での看板は、デザイン以前に耐久性から考えなければなりません。以前製作した手描き看板も被害に合わないか心配です。木の暖かい質感が好きなのですが、大阪の繁華街ではどうやらお話にならないようで…。今後は溶接のスキルなんかも身につけ、堅牢な看板も作れるようにスキルアップしていきたいと思います。