Fiore 様 – 屋外看板

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屋外看板 – 770mm×470mm / 現物1点のみ
作業内容 – デザイン / リペア / 手描き / 現物納品


心斎橋の創作イタリアンFiore様より、元々使用されていた看板のリペアを含む、デザインと手描きのご依頼です。
まずは現物を持ち帰り、全体を観察。何やら色々と頑張られた形跡が…。

開店時以来ずっと屋外に晒されていたようで、かなり駆逐された状態。あちこちに色褪せ、割れなどが確認できます。

釘が抜けて浮いている箇所も。子供の前蹴りですら逝ってしまいそうです。

立てて置くための鎖すら切れています。各パーツも取替えが必要ですね。
お店があるこの辺りは酔っ払いに看板を攻撃されるのは日常茶飯事で、しっかりと補強を入れて堅牢かつ綺麗にしておかなければなりません。また、ボロッボロの看板が集客に繋がる飲食店は老舗ラーメン店ぐらいでしょう。

ということで、今回はサイズに合わせて1からデザインをデータで作り、廃材や残っていた塗料を使ってリペアをした後、手描きで色を入れ装飾する事にしました。お任せでのご依頼はこちらの好き勝手に出来るので、楽しんで製作に臨むことが出来ます。

まずはしっかりと完成形をイメージし、固まれば必要なパーツを調達、補修開始。
始めは張り付いている黒板部分を剥がすことにします。

今回は直接板の部分に描き込む予定のため、この部分は不要です。整備工具箱から取り出したKTCペンチで豪快に。

剥がし終了。とりあえず立てておける状態でないと作業が困難なため、両サイドに購入してきたフックを取り付け。当然ですが切れた鎖に比べてしっかり安定しました。

ズタズタの表面をパテで調整したり、粗めの紙ヤスリで整えていきます。

綺麗になってきました。程良い木の風合いを残すため。あえて綺麗に直し過ぎないところがポイントです。この後ペンキで問題なく描ける程度まで仕上げました。

真鍮釘と廃材で裏面の補強もしっかり入れておきます。

補修が適度なところまで完了したので、全体をペンキで真っ白に塗っていきます。塗り終われば乾燥待ちの間に表面デザインの製作開始。
ぴったりのサイズを作り、イラストレーター上で表記内容やロゴをバランスよく組んでいきます。完成すれば出力して貼り付け、トレースへ。

デザインのトレースが完了。全体像が見えました。

マスキングした方が効率が良さそうな箇所は事前に済ませておき、白、黒、赤3色のペンキを使い、どんどん色を入れていきます。細かい部分もあるため、筆を使い分けながら慎重に。
丁寧に作業しているつもりでも気がつけば結構手がペンキまみれだったりしますが、久々にアナログな作業をすると楽しいのでOK。

塗っては修正を繰り返し、無事に完成。最後にシリコンラッカーのクリアを吹き、耐候性、耐久性アップです。マットなので変な光沢が無く落ち着いた仕上がり。サイドにチャームやバンダナ、矢印等を付けアクセントに。小物が効くと完成度がかなり変わります。
ちなみに真鍮パーツは磨けば18金のように輝き、劣化しても風合いが出るため好きな素材の1つです。

納品後店頭にて。ライト装着で集客アップ。風でバンダナが靡き、目立って良い感じです。

オーナーのSRとも相性抜群。やはりアナログで一点物の看板は存在感がある気がします。月日が経つにつれ履き込んだデニムのように風合いを増すはず。どうか壊されませんように。

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